40台後半の主婦Aさんが、道路に停車中の軽自動車に乗っていたところ、後方から来た車両に追突されたという事案である。事故態様は単純であるが、Aさんの肩から腕に掛けてのしびれは強く、複数の整形外科、整骨院を尋ねるも、症状は改善しなかった。家事は、同居の長女に任せるような状況が続いた。最終的に事故後約2年を経て受診した大学の附属病院で、初めて「右大菱形骨舟状骨間靱帯損傷」の診断を受けるに至った。

 保険会社は、この診断が、事故後2年も経過していることから、Aさんの症状はそれ以前に固定状態に至っているのであり、かりに、上記の靱帯損傷が認められたとしても、それは本件の事故とは関係ないものであると強硬に主張した。


 野球の試合の前には、各チームがそれぞれ7分間、試合前の守備練習をすることとなっている。その練習中に、監督がノックした硬球が生徒A君の頭部を直撃して脳挫傷、そしてその後遺症として高次脳機能障害が残ってしまったという痛ましい事故が発生した。

 この事件について、生徒側から学校法人に対する損害賠償を請求する訴訟を提起した。


 昔から公園に設置されていた相向かいに座れる箱型のブランコ。ありふれた遊具だが、実は大変な危険がある。群馬県F市の公園で、この危険性が現実化して、小学生が死亡する重大事故が発生した。ブランコ外から、箱ブランコを押していた小学5年生の女の子がブランコを押したはずみに前のめりに倒れた。倒れたところに箱ブランコが振り戻しで戻ってきた。この時、地面に倒れていた女の子の頭部の上に、戻ってきた箱ブランコが乗り上げるような形となった。ブランコ自体の重量は200kgにも達するので、重大な傷害となり死亡に至った。

 国家賠償法2条の「公の営造物の設置管理の瑕疵」を理由に損害賠償を請求した。


 食道静脈瘤硬化療法を受ける目的で埼玉県県内の総合病院に入院中の64歳の女性が敗血症性ショックで死亡した事案である。

 食道静脈瘤硬化療法を施行し、その一週間後に再度、同療法を施行予定であったが、高熱が出て中止。その後、適切な処置なく、4日後に意識レベル低下、呼吸状態の悪化を来して死亡。

 死亡後、剖検された。死因は敗血症性ショックとされた。死亡診断書では腎盂腎炎が原因と記載されている。


 秩父の山間地において、東京電力による夜間停電の際に、それを知らずに自宅階段から転落した高齢女性Aさんが、その事故によって後遺症を残した事件に関して、依頼をうけ東京電力に対する賠償請求を担当した。

 長野県内で落雷による送電設備の破損が発生した。この際には停電とはならなかったものの、その破損部位を修理するために、計画的な停電が必要となった。東京電力は、停電予定地域の秩父地域に有線放送を使用して停電の情報を流し、また宣伝車を走行させて情報周知に務めた。