食道静脈瘤硬化療法を受ける目的で埼玉県県内の総合病院に入院中の64歳の女性が敗血症性ショックで死亡した事案である。

 食道静脈瘤硬化療法を施行し、その一週間後に再度、同療法を施行予定であったが、高熱が出て中止。その後、適切な処置なく、4日後に意識レベル低下、呼吸状態の悪化を来して死亡。

 死亡後、剖検された。死因は敗血症性ショックとされた。死亡診断書では腎盂腎炎が原因と記載されている。

 高熱が出た時点における症状から、敗血症を疑いがあり、そのための検査・診断をすべきではなかったか(過失の有無)、また、そうした検査に基づき適切な治療を行えば救命されたかという点(因果関係)が争点となった。

 この事案においては、感染症に関する専門家の鑑定的な意見を頂くことができ、これを活用して、訴訟前に相当額の解決金の支払いを受ける示談が成立した。専門家のどの時点から、どのように行うべきであったか?