埼玉県内の大手スーパーの惣菜売り場前で、買い物客の高齢の女性Aさんが転倒して骨折事故を起こした。その現場には、惣菜の調理に関係した油が一部に残っていた。その油の存在と女性Aさんの転倒の間に、現実に因果関係があるか否かは必ずしも明らかであるとは言えなかった。

 しかし、事前の交渉の過程では、スーパー側は、惣菜売り場の前の床の状態が必ずしも十分ではなかったことを事実上認めており、その点では陳謝するという対応であった。

 私は、Aさんから依頼を受けて、スーパーに対して、Aさんの後遺症分についての損害賠償を請求する訴訟を提起した。

 この事件に関しては、実際は、事故の再現が極めて困難であるという弱点もあったが、最終的には、裁判における証拠調べ前に、裁判所の和解勧告を引き出すことができて、当方の請求額の約半分で勝利的な和解を成立させることができた。