旧花園町の町長が、議員とともにカナダへの視察旅行に行った際の経費について、税金の無駄遣いとして住民監査請求の対象とされた。町の監査委員は、この監査請求を認めなかった。そこで、住民が、地方自治法の規定に基づいて住民訴訟を提起したものである。

 争点は、ずばり、「カナダへの視察が有益な支出に該当するか否か」という点に尽きる。町長側は、観光地の巡っているだけであることについて、町会議員との懇親を深める必要があったなどを主張した。

 最終的には、判決にいたり、視察旅行が町の行政執行としては無駄であることを理由として、全額の返還が認められた。

2001年事務所ニュース記事から

「花園町町長カナダ旅行住民訴訟」勝訴す

 二〇〇〇年一〇月二日、浦和地裁は、花園町長に対して、花園町の議員のカナダ旅行(自費参加)に同行した際の旅費三二万円の返還を命じる判決を言い渡した。
 この事件は、花園町において、財政逼迫を理由に補助金が削減されているにもかかわらず、一方で町長が議員のカナダ旅行に町の予備費を使って参加したことに疑問を感じた住民が監査請求を行ったことに端を発したものである。旅行内容は、バンフ・バンクーバー等の観光であり、一般のパックツアーと全く異なるところはない。
 結審した際の率直の感想は、「訴訟の経過からして勝訴してもおかしくはないな」と思いつつ、「そうはいっても行政訴訟だから、そう簡単に勝たせてはくれないかも・・・」と考えた。
 判決要旨は「本件旅行は、花園町の施策のための視察として必要性があったと評価することは困難であり、本件旅行の目的地としてカナダ等の地を選定しなければならないとする合理的な理由も乏し」いと明快であった。
 結論的には案外あっけなく勝訴したが、似たような旅行は各自治体で行われており、この判決がこうした「慰安旅行」に対する歯止めの効果を持つこと期待したい。