さいたま市民オンブズマンの活動の一環として、上尾市の焼却炉の建設に絡んで、焼却炉メーカー5社が談合したことによって上尾市が受けた損害について住民監査請求から、住民訴訟に進んだ事件を担当した。

 この事件については、一審のさいたま地裁では談合の事実を認定し、上尾市に約9億円の賠償をすべきであるという勝訴判決を受けた。ところが、高裁においては、逆転して、談合の事実を示す直接証拠が存在しないということから、請求が認められなかった。

 当然、最高裁に上告したが、最高裁は、事実認定には関与しないということで、高裁の敗訴判決が確定してしまった。きわめて残念な事件である。

2006年事務所ニュース記事

上尾市・焼却炉談合事件で賠償命令

 上尾市が発注したゴミ焼却炉の建設工事(工事費177億円)にまつわる談合をめぐる裁判で、昨年11月30日、さいたま地裁で、談合の事実を認め、受注者である旧・日本鋼管から上尾市に対して8億8580円の賠償を命じる判決が言い渡されました。この事件は、上尾市の住民が、指名競争入札の当事者である大手焼却炉メーカー5者による談合があったとして住民監査請求を行ったものの却下されたことから、受注メーカーである旧・日本鋼管を訴えたものです。
 焼却炉メーカーらは、公正取引委員会から談合の排除勧告を受けながらこれを拒否し、談合の事実を争い続けています。今回の事件は、公正取引委員会の押収した資料などを駆使しつつ、同委員会の審決がでる以前に、裁判の場で談合の事実と賠償を認めたものです。判決では、同委員会の押収した資料の中には、上尾市の焼却炉についての談合の事実を示す直接的な証拠はないものの、談合が組織的・継続的に行われていたことから、談合を否定する特別の事情がない限り本件にも談合が行われたものと認定できるとする初の判断が示されたものであり、全国で進められている同種事件に対する影響は大きいといえます。
 この事件は、埼玉市民オンブズマンとしては、談合の責任追及のために裁判を起こしたものです。
 県内に限っても、談合対象期間に入札が行われ、談合があったとされて審判の対象とされているのは、上尾市の他に、加須市・騎西町衛生施設組合、秩父広域市町村圏組合のものがあります。