2012年11月28日、私たち曙ブレーキ工業被害賠償弁護団は、曙ブレーキ工業株式会社によるアスベスト被害につき、さいたま地方裁判所に訴訟を提起しました。

 曙ブレーキは、世界的な自動車部品メーカーであり、主に自動車用・鉄道用ブレーキの生産を行ってきましたが、近年までブレーキ製品の生産にアスベストを使用していました。そのブレーキ製品の製造過程において大量のアスベスト粉じんが発生したにもかかわらず、曙ブレーキは局所排気装置を設置したり、防塵マスクの着用を徹底するなどの措置を採らなかったために多くの従業員が粉じんを吸引し、その結果、肺がんや石綿肺などの石綿関連疾患に罹患し、健康を害したり、死に至りました。

 私たち弁護団は、2010年から曙ブレーキの元従業員らに対し呼びかけを行い、アスベスト被害やその補償について定期的に相談会を開き、被害実態の把握や救済に努めてきました。2012年3月には、曙ブレーキ羽生工場に赴き、被害者への謝罪、賠償、誠実協議の申し入れを行いました。

 しかしながら、曙ブレーキは、自らの責任を一切認めようとはせず、被害者への謝罪、賠償に応じることはありませんでした。私たちは、曙ブレーキの法的責任を明らかにし、原告らに対する誠意ある謝罪と被害に見合った賠償の実現を求めて、訴訟提起に踏み切りました。

 今回立ち上がった原告だけが曙ブレーキの被害者ではありません。今後も曙ブレーキによるアスベスト被害を受けた方々にむけた相談会を開き、被害救済に努めます。